WordPress サイトを長く運用していると、Google Search Console の「カバレッジ」レポートにおいて、ある共通した“悩ましい現象”に直面する人が多くなります。それが、/feed/ を含む URL が膨大に「クロール済み – インデックス未登録」に並び続ける状態です。
一見するとエラーや問題点のように見えるため驚いてしまうのですが、実際には SEO 上の直接的なマイナスではありません。しかし、問題は別のところに潜んでいます。こうした feed ページが大量に混在すると、本当に改善すべき“低品質コンテンツ”がノイズの中に埋もれてしまい、サイト改善の優先順位が非常に見えづらくなるのです。
本記事では、feed がどのような役割を持ち、なぜ Search Console に大量出現するのか、そしてどのようにして安全に除外(noindex)し、サイト運用をより効率化するかを丁寧に解説します。併せて、XML の特性や WordPress 固有の挙動、Google が推奨するフィードの扱い方など、単なる手順説明だけではなく“背景知識まで理解できる総合ガイド”となるよう構成しています。
feed が Search Console に大量に表示される理由を正しく理解する
WordPress は、記事・カテゴリ・タグ・コメントといったサイト構造のあらゆる部分に対し、自動的に feed(RSS/Atom)を生成しています。feed は HTML ページではなく XML 形式で記述された“機械向けの更新通知データ”であり、通常の読者が直接閲覧するものではありません。
この feed は Google にとっても重要な情報源であり、検索エンジンは記事の更新や新規追加を素早く検知するために feed を積極的に利用しています。Google は公式ドキュメントで「XML サイトマップと RSS/Atom フィードを併用することでクロール効率が大幅に向上する」と明言しており、クロール対象としての feed の重要性は明確です。
しかしながら、feed 自体は記事本文のような価値あるコンテンツではなく、重複情報として扱われます。そのため Google は feed を“クロールはするがインデックスはしない”という賢い判断を行います。その結果として、Search Console の「クロール済み – インデックス未登録」に大量の feed が並ぶのです。
feed を noindex にする目的は“SEOのため”ではなく“分析精度のため”
feed 自体は Google が自動で適切に評価するため、インデックスされなくても SEO に悪影響はありません。しかし問題は、Search Console の管理画面に膨大な数の feed が表示され続けることにより、どの記事が本当に “低品質と判断されているのか” を見つけるのが極めて困難になる点にあります。
本来確認したいのは、コンテンツとしての価値が低く、改善すべき記事です。ところが feed が検索結果画面を埋め尽くしてしまうと、分析すべきページを見つけるまでに多くの時間や労力がかかり、正しいサイト改善が遅れる原因になります。
そこで WordPress 上で feed に noindex を付与し、Search Console 上から feed を“視界から消す”ことで、本来見るべき改善ポイントが一目でわかるようになります。つまり feed の noindex は SEO の戦略ではなく「サイト運用の効率化」「分析精度の向上」という実務的な価値を持つ施策なのです。
XML だからこそ必要になる“X-Robots-Tag” という制御方法
feed は XML 形式であり、HTML のように <meta name="robots"> を挿入することができません。したがって noindex を設定するには、HTTP レスポンスヘッダーで制御する必要があります。具体的には「X-Robots-Tag」という仕組みを利用し、
X-Robots-Tag: noindex, follow
という指示を返すことで、Google に「インデックスしないでほしい」という意思を伝えます。これは Google が公式にサポートしている手法であり、XML・PDF・画像ファイルなど HTML 以外のコンテンツに用いられる標準的な方法です。
WordPress ではこのヘッダーを生成するために、プラグインを使うか functions.php に処理を追加することで対応できます。
プラグインで簡単に feed を noindex 化する方法
すでに「All in One SEO(AIOSEO)」などの SEO プラグインを利用している場合は、管理画面から数クリックで feed に noindex を付与できます。
AIOSEO には feed noindex が標準搭載されており、設定をオンにするだけで X-Robots-Tag が自動的に挿入され、テーマファイルを直接触る必要もありません。
これにより、初心者でもミスなく feed を除外でき、Search Console のノイズを確実に排除できます。
コードで制御する“functions.php による noindex 設定”
プラグインを極力増やしたくない、あるいはサイトを軽量に保ちたい場合には、以下のようなコードを functions.php に追加する方法が推奨されます。
add_action( 'template_redirect', function() {
if ( is_feed() && headers_sent() === false ) {
header( 'X-Robots-Tag: noindex, follow', true );
}
} );
このコードは WordPress が feed ページを生成するタイミングでフックされ、レスポンスヘッダーに正しい X-Robots-Tag を付与します。
非常に軽量で確実性も高いため、プラグインを使わない運用方針のサイトにも適しています。
robots.txt で feed をブロックするのが間違いである理由
一部のサイトでは /feed/ を robots.txt でブロックする方法を紹介していますが、これは明確に誤りです。Google が feed をクロールする理由は“更新検知のため”であり、クロールは必要不可欠です。
もし robots.txt でブロックしてしまうと、「robots.txt によりブロックされましたが、インデックスに登録しました」という不可解なエラーが Search Console に記録され、修正しても完全に復旧するまでに数ヶ月かかるケースも報告されています。
Google 公式が推奨する正しい姿勢は「feed はクロールさせるが、インデックスは必要ない」というもの。したがって noindex を付けることは正しく、安全で、Google の思想とも一致したアプローチなのです。
noindex が正しく反映されたかを確認する方法

設定がうまく機能しているかを確認するには、ブラウザのデベロッパーツールで HTTP ヘッダーを確認する方法が最も確実です。
feed ページを開き、Network タブでレスポンスヘッダーを表示すると、末尾に x-robots-tag: noindex, follow が入っていることが確認できます。
また、Google Search Console の「URL 検査」で feed URL を入力し、「公開 URL をテスト」すると、Google が取得した状態を直接確認できます。noindex が検出されれば設定は成功です。
まとめ:feed を noindex にすることは“サイト改善の効率化”につながる
feed は Google がクロールする必要のある重要な XML データですが、インデックスする必要はありません。そのため Search Console 上では「クロール済み – インデックス未登録」に大量に表示されるのですが、これが低品質コンテンツ分析の妨げになることがあります。
noindex を付与することで feed を Search Console のノイズから取り除き、改善すべき記事だけを確実に把握できるようになります。
WordPress 環境でもっと効率的にサイト改善を進めたい人にとって、feed の noindex 設定は非常に有用な施策と言えるでしょう。

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