はじめに
WordPress でブログやメディア運営をしていると、Search Console に突然「重複しています」という警告が現れ、驚いた経験のある方は多いのではないでしょうか。特にカテゴリーページに対してこの表示が出てしまうと、Google に嫌われているのではないか、SEO に悪影響が出ているのではないかと不安に感じてしまうものです。しかし実は、Google がこうしたメッセージを表示する背景には明確な理由があり、そこを正しく理解することで、サイト全体の構造をより強く、検索に強いものへと改善するきっかけに変えることができます。
この記事では、WordPress のカテゴリーページが Search Console で「重複しています」と判定される理由や、Google がなぜ正規ページを勝手に切り替えるのか、その仕組みと本質を徹底的にわかりやすく解説していきます。表面的なエラーとして扱うのではなく、Google の意図を正確に読み取り、今後のサイト改善に活かせる深い理解を得ることを目的としています。
本記事で解決できる悩み
この記事を読み進めることで、まず Search Console が出す「重複」警告の意味が明確になります。Google が何をもって重複と認識し、なぜ正規ページを自分で判断するのかというアルゴリズム上の理由が理解できるため、原因が曖昧なまま不安だけが増える状態から脱却できます。同時に、WordPress 特有の構造がなぜ重複を生みやすいのかも整理され、カテゴリーページの扱いをどのように決めるべきか、どこを改善すればよいかが明確になります。
さらに、カテゴリーページのインデックス方針を「するべきか、しないべきか」判断できるようになり、適切なSEO戦略を立てられるようになります。結果として、Search Console の警告に対するストレスが減り、サイト全体をより合理的に管理できるようになるでしょう。
なぜ「カテゴリーページの重複問題」を放置すると危険なのか
カテゴリーページの重複を放置すると、Google が本当に評価すべきページに十分なクロールを割けず、サイト全体の評価がじわじわと低下していく可能性があります。Google は膨大なページをクロールする際、価値が高いと判断したURLに優先的にリソースを使いたいという思考を持っています。しかし、不要なカテゴリーページや薄い一覧ページが大量に存在すると、それらもクロール対象に含まれてしまい、結果的に重要な記事ページが十分に評価される機会を奪ってしまうことがあります。
さらに、重複していると判断されたカテゴリーページが Google 側で勝手に別URLへ正規化されることで、あなたが意図したサイト構造と Google が理解している構造にズレが生まれます。このズレは内部リンク設計にも影響を与え、最終的には検索ランキングに影響が出ることもあるため、ただの警告と軽視してしまうのは危険です。
本記事の対象読者(どのレベルの人向けか)
本記事は、WordPress サイトを運営しており、Search Console で「重複しています」のメッセージをよく見るようになった方や、カテゴリーページの扱いをどうすべきか迷っている方を対象としています。SEO の専門用語を完全に理解していなくても読めるように説明していますが、ある程度 WordPress の画面操作や SEO の基本概念がわかっている方であれば、より深く実践的に活かせる内容になっています。また、サイトの構造を見直したいと考えている中級者以上の方にも役立つはずです。
この記事のゴールと読み終わったあとの状態
この記事を読み終える頃には、Search Console の「重複しています」という表示が何を意味し、どう扱うべきかがはっきりと理解できるようになります。Google がどのような基準で正規ページを判断するのか、なぜカテゴリーページが対象になりやすいのか、その理由が腑に落ちた状態になっているでしょう。
そして何より重要なのは、カテゴリーページを「インデックスさせたいのか」「noindex にすべきなのか」という判断が自信を持ってできるようになり、今後のサイト運営における意思決定が明確になることです。Google が意図していることを理解すると、Search Console の警告が恐れるべきものではなく、むしろ「サイト改善のヒント」だという感覚に変わるはずです。
「重複しています」ってそもそも何?Search Console の表示を正しく理解する
Search Console が「重複しています」というステータスを表示すると、多くの人はまず「エラー」だと捉えてしまいます。しかし、Google がこの表示を出すときの意図は少し異なります。このメッセージは、あなたが意図した正規ページ(canonical)とは別のページのほうを Google が本物として扱うことに決めたという意味に過ぎず、「あなたのサイトに深刻な問題がある」という警告ではありません。
Google は、複数のURLが類似した内容を持っているとき、それぞれのページを評価したうえで「ユーザーにとって最も価値が高いURL」を選ぼうとします。その結果として「重複しています」というステータスが付与されるのです。
「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」とは
このメッセージは、あなたが指定した canonical タグがあるにも関わらず、Google がその canonical を正規として採用しなかった場合に表示されます。あなたが「これを正規ページにしてください」とマークしていても、Google がページの品質や内容の重複状況を分析した結果、別URLのほうがより適切だと判断したときに起こります。
つまり、Google はあなたの指定した意図よりも、ユーザーにとって合理的な構造を優先するため、このメッセージが表示されたからといって、Google が誤った判断をしているわけではありません。
「重複しています。Google により、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました」とは
こちらは、Google があなたの canonical 指定を無視し、独自に正規ページを選び直したことをより明確に示しています。WordPress ではカテゴリーページのように内容が薄かったり、他のページと似たテーマで構成されている一覧ページが多かったりと、Google から見て「どれも似たようにしか見えない」状況が起こりやすいため、このメッセージが表示される頻度が高くなります。
Google は、ユーザーにとって最も価値のあるページを検索結果に表示したいという強い思想を持っているため、たとえサイト側が canonical を設定していても、自ら判断して最適と思われるURLを選びます。この“Google が主体的に判断した”という点がメッセージの意味に反映されています。
2つのメッセージの違いと共通点
2つのメッセージには微妙なニュアンスの違いがありますが、どちらにも共通しているのは「Googleがあなたの指定ではなく、自分の判断で正規ページを決めた」という点です。
前者は「あなたが指定した canonical を採用しなかった」という意図を含み、後者はさらに一歩踏み込んで「Google が“別URLを正規とする”という明確な意思表示」を表しています。ニュアンスの違いはありますが、いずれも Google の評価プロセスの産物であり、サイト側が何か致命的なミスをしているわけではありません。
このステータスは「エラー」ではなく「Googleの選択結果」である
重要なのは、これらのメッセージを「エラー」として恐れたり焦ったりする必要はまったくないという点です。Google は膨大なURLの中から最適なページを評価するために、常に重複の整理と正規ページの選択を行っています。その過程で「あなたの意図とは異なる選択」をすることは日常茶飯事であり、むしろサイトの構造が複雑になってきた証とも言えます。
このステータスはあくまで「Google がこのように判断しました」という通知であり、その判断が間違っているとも、あなたのサイトがペナルティを受けているとも限りません。正しく理解し、必要な部分だけを調整していけば問題はなく、むしろサイト構造を改善する強力なヒントになります。
Google の視点:なぜカテゴリーページを“正規ページ”にしてくれないのか
WordPress のカテゴリーページが Search Console で重複扱いされ、正規ページとして採用されないという現象は、多くのサイト運営者が悩まされるものです。これを単なるエラーや Google の意地悪だと捉えてしまうと、本質を見失い、適切な改善策にたどり着けなくなってしまいます。Google は決して敵対的な意図であなたの canonical を無視しているのではなく、「ユーザーが検索結果で最も満足するページはどれか」という一点だけに基づいて判定しています。
そのため、カテゴリーページが Google にとって魅力に欠けると感じられた場合、たとえあなたが正規ページとしてマークしていたとしても採用されず、別のページを正規扱いにするという判断に至るわけです。
つまり、Google がカテゴリーページを正規ページにしてくれない理由は、技術的な設定の問題以上に、Google が「そのページを検索ユーザーに見せる価値がある」と判断していないことが根本にあります。この仕組みを理解しないまま canonical をいじったり、プラグイン設定を変えたりしても根本的な改善にはつながりません。重要なのは、Google の視点に立ち、彼らがどのようにページを評価しているかを知ることです。
Google が正規ページを決めるときに見ているポイント
Google は複数の似たような内容のページが存在する場合、その中から「正規ページ」を選びます。これを選ぶ際、Google は非常に多くの情報を参考にしますが、特に重視されるのはコンテンツの重複度、ページの独自性、コンテンツの厚み、そして内部リンク構造です。
Google のアルゴリズムは、「どのページが最も包括的で、オリジナル性が高く、ユーザーにとって有益か」を判断しようとします。カテゴリーページは、投稿記事とは異なり独自の情報をほとんど持たず、複数の記事のタイトルや概要を並べただけの“一覧ページ”でしかありません。これでは Google は「このページよりも、実際の個別記事の方が読者にとって価値が高い」と判断してしまいます。
また、そのカテゴリが扱うテーマが他のカテゴリやタグページとも内容的に重複している場合、Google は「似たページが複数ある」と認識し、より中身の濃いページを正規扱いにすることもあります。加えて、内部リンクの流れがカテゴリーページに向かっていない、つまりサイト内の構造として重要性が示されていない場合も、Google はそのカテゴリーページを正規と認識しにくくなります。
このように、Google はページの価値を単独で評価するのではなく、サイト全体の中でそのページがどのように位置づけられており、どのような役割を果たしているのかを総合的に判断しながら正規ページを決めているのです。
canonical は「命令」ではなくあくまで「ヒント」
サイト運営者がしばしば誤解してしまうのが、canonical タグの役割です。canonical は「このページが正規です」とサイト側が Google に伝えるための重要な手段ですが、これはあくまでも“強制力のない提案”に過ぎません。最終的にどのページを正規化するかは Google が判断するため、canonical に従わないという状況は普通に起こります。
Google が canonical を無視するときは、たとえばそのページがコンテンツとして薄く、他により価値のあるページが存在すると判断した場合や、canonical の設定に矛盾が多い場合などです。つまり、Google の評価が「このページを正規として扱うのは不自然だ」と感じた時、canonical の指示よりもユーザー体験を優先して判断するということです。
そのため、単純に canonical の設定だけを完璧にすれば重複問題が解決するというわけではなく、Google がそのページを「正規としてふさわしい」と認識できるだけの力を持ったページに育てる必要があります。
コンテンツの厚み・重複度・内部リンク構造から見たカテゴリーページの評価
カテゴリーページが Google に評価されにくい根本的な理由は、コンテンツの厚みが極端に薄いことにあります。カテゴリーページはあくまで記事リストであり、独自の本文を持たないことが一般的です。最近の Google は「ユーザーがそのページだけで必要な情報にアクセスできるか」という観点を非常に重視しているため、ただ記事を羅列しているだけのカテゴリーページには価値を見出しにくくなっています。
また、カテゴリーページはしばしば重複度が高くなりがちです。関連記事が多く重複テーマのカテゴリが混在している場合、カテゴリーページ同士が「似たページ」と判断されやすく、Google はカテゴリよりも個別記事を評価しようとします。さらにページネーションが存在する場合、 /page/2/ や /page/3/ なども同じカテゴリの延長として扱われ、これらも重複度を高める一因となります。
内部リンク構造も重要です。カテゴリーページを本当に SEO 資産として育てたいのであれば、サイト内の他ページからカテゴリーページへ意図的にリンクを集め、Google に「このカテゴリーページはサイト内で重要な役割を果たしている」と伝える必要があります。しかし多くのサイトではカテゴリーページへのリンクがほとんどなく、結果として Google にとって“軽いページ”として扱われてしまいます。
「ユーザーにとってどのURLが一番価値が高いか」という Google の思考プロセス
Google の評価は常に「どのURLがユーザーに最も役立つか」という一貫した基準に基づいて行われています。Google は検索結果に表示するページを厳選する際、ユーザーの検索意図に応えられるページかどうかを重視しています。カテゴリーページはあくまで記事の一覧に過ぎず、検索ユーザーが求めているであろう「具体的な回答」や「深い情報」を直接提供するわけではありません。
そのため Google は、多くの場合カテゴリーページよりも個別記事の方がユーザー体験を満たすと判断し、正規ページとして扱う傾向があります。たとえサイト側がカテゴリーページを正規扱いにしてほしいと canonical を設定しても、Google が「この記事のほうが読者に直接価値を提供している」と判断すれば、正規URLを記事側に変更することは自然な挙動です。
つまり、Google は常にユーザーを中心に置いた視点で判断し、その視点から見たとき“カテゴリーページが最適解ではない”と判断されることが多いというだけなのです。カテゴリーページを正規扱いにしてほしいのであれば、Google に対して「このカテゴリーページはユーザーに価値を提供できる」と認識させるための構造・内容・内部リンクの強化が必要不可欠です。
WordPressのカテゴリーページが重複扱いされやすい構造的な理由
WordPress サイトを運営していると、Search Console 上でカテゴリーページがしばしば「重複」と判定され、場合によっては Google によって正規ページが別の URL に切り替えられてしまうことがあります。これは単なる設定ミスによるものではなく、WordPress の構造そのものが「重複コンテンツを生みやすい」特徴を持っていることが原因です。つまり、カテゴリーページが正規化されにくいという現象は WordPress 特有の宿命に近く、構造を理解していないと解決策を誤り、逆にサイト全体の SEO に悪影響を及ぼすこともあります。
Google がカテゴリーページを積極的に評価しない背景には、「WordPress のカテゴリーページはあくまで記事を分類するための補助的な一覧であり、ユーザーにとって最も価値の高いページとは限らない」という認識があります。では、なぜ WordPress のカテゴリーページはここまで重複扱いされやすいのでしょうか。その根本的な理由を順番に深掘りしていきます。
WordPress が自動生成するカテゴリーページの仕組み
WordPress は非常に柔軟で便利な CMS ですが、その利便性は裏側で大量の自動生成ページに支えられています。カテゴリーページも例外ではなく、投稿にカテゴリを割り当てれば、WordPress は自動的に /category/◯◯/ という一覧ページを作り出します。そして、テーマによってはページタイトルや説明文、パンくずリストなどが自動で付与される一方、ページの主要部分は登録された記事のタイトルと抜粋の羅列のみで構成されます。
この自動生成の仕組みは非常に便利ですが、Google の観点から見ると、カテゴリーページは独自性に乏しい「機械的な一覧ページ」として扱われることが多くなります。同時に、同じテーマのカテゴリが複数存在していたり、タグともテーマが重複していたりすると、特に WordPress サイト全体で類似ページが量産されてしまい、重複コンテンツの温床となりやすい構造を持っています。
一覧ページゆえに「中身がほぼ記事の抜粋だけ」になりやすい問題
カテゴリーページが評価されにくい最大の理由は、その内容が “一覧でしかない” ことにあります。検索ユーザーが求めているのは、悩みを解決するための情報であり、記事の概要がずらりと並んだだけのページでは、必ずしも満足できるとは限りません。
Google は常に「ユーザーがページを開いた瞬間に価値を感じるか」を重視しています。しかし、カテゴリーページはその性質上、独自の本文を持たず、どれだけ記事が並んでいても、そこに書かれている情報はすべて“別ページに誘導するための要約”に過ぎません。Google の視点で見れば、これでは個別記事より価値が低く、検索結果として出す理由が薄いページに分類されてしまいます。
さらにカテゴリーページは、記事が更新されるたびに内容が自動的に変わるため、Google にとって「安定したコンテンツ」として扱いにくいという側面も持っています。このように、カテゴリーページ自体に“本文が存在しない”ことが、Google が正規ページとして認定しにくい大きな理由となっています。
ページネーション(/page/2/ /page/3/)との重複
カテゴリーページの重複問題をさらに深刻にするのが、ページネーションの存在です。記事数が増えれば、カテゴリーページには自動的に /page/2/ や /page/3/ といった分割ページが生成されます。しかし、これらのページのコンテンツ構造はどれもほとんど同じであり、一覧の並び順が少し変わるだけの“ほぼ複製ページ”になってしまいます。
Google はこれらの分割ページをクロールするたびに、「同じような内容がまた出てきた」と判断しやすく、本来のカテゴリーページとの間で重複シグナルが強く発生します。この状態が続くと、Google にとってカテゴリーページは非常に判定しにくいページとなり、最終的に Google はどれを正規ページにすべきか迷った結果、別の URL(多くの場合は個別記事)を正規扱いにするという判断に至ることがあります。
ページネーションは WordPress の利便性を支える重要な仕組みである一方で、SEO の観点では慎重な扱いが求められる理由はここにあります。
タグページ・アーカイブページとのテーマ重複
WordPress のサイト構造が重複を生みやすい理由として、タグページやアーカイブページの存在も見逃せません。多くのサイトでは、カテゴリとは別にタグが大量に付けられ、その結果としてカテゴリーページとタグページの内容がほぼ同一になるケースが数多く存在します。
たとえば「SEO」というカテゴリと「SEO対策」というタグの両方が存在していれば、これらのページにはほぼ同じ記事が並びます。この状態は Google にとって非常に分かりづらく、同じテーマを扱う複数の一覧ページが存在するため、「どれを正規ページとして扱うべきか」を判断しなければならなくなります。
Google がタグページを優先することもあれば、カテゴリーページを優先することもありますが、いずれの場合も似たようなページが複数存在すること自体がマイナスであり、重複コンテンツとして扱われる原因になります。
特に「タグを何でもつけてしまう」運用をしているサイトでは、カテゴリーページとタグページがほとんど同一の役割を持つようになり、Google が意図しない正規化を行うリスクが極めて高くなります。
記事数が少ないカテゴリが“薄いコンテンツ”として評価される理由
カテゴリーページの重複問題を語る上で、記事数の少なさは非常に重要なポイントです。記事がほとんど存在しないカテゴリは、Google から「価値が低いページ」と見なされやすく、個別記事よりも評価が下がる傾向があります。
記事数が1〜2件しかないカテゴリーページは、それ自体が薄いコンテンツである上、カテゴリとして成立しているかどうかも曖昧です。Google は「このカテゴリはユーザーにとって役立つテーマとして成立していないのではないか」と判断し、正規ページとして扱う価値が低いと認識してしまいます。
また、記事数の少ないカテゴリは他のカテゴリやタグと重複する可能性が高く、結果として「どのURLが主役なのか」が Google にとってわかりにくい状態が生まれます。こうしたカテゴリは、統合してテーマを集約するか、場合によっては noindex を検討したほうが合理的です。
よくあるパターン別:カテゴリーページが「重複しています」になる具体的ケース
カテゴリーページが Search Console で「重複しています」と判定される背景には、WordPress の構造的な性質だけではなく、サイト運営者が無意識のうちに行ってしまっているカテゴリ設計や SEO 設定のクセが深く関わっています。カテゴリーページというのは本来、記事を整理し、ユーザーが必要な情報を探しやすくするための“入口”の役割を果たすものですが、運用の仕方次第では Google にとって混乱を招く存在にもなり得ます。
ここでは、実際のサイトで頻繁に見られる「カテゴリーページが重複扱いされる典型的なパターン」を順番に整理していきます。どれも Search Console を眺めていると一度は見覚えがあるはずで、逆に言えばこれらを理解すれば重複問題の大半を予防することができるようになります。
記事数1〜2件しかないカテゴリ
最も多いパターンが、記事数が極端に少ないカテゴリです。WordPress を使っていると、記事を書きながらカテゴリを細かく作りすぎてしまい、結果として記事が1つか2つしか登録されていない“薄いカテゴリ”が量産されてしまいがちです。このようなカテゴリーページは Google から見れば「テーマとして確立していない」「コンテンツとして不十分」と判断され、価値の低いページとして扱われてしまいます。
記事数が少ないカテゴリは独自性も弱く、内部リンクの流れも十分でないため、Google から「このカテゴリーページをわざわざインデックスする意味があるのか」という疑問を持たれます。そして多くの場合、カテゴリーページより個別記事のほうが価値が高いと判断され、Google によって正規ページの役割が記事側へ移されてしまうのです。
このパターンは初心者ほど陥りやすいもので、特化サイトを作っているつもりでもカテゴリが増えすぎてしまい、気が付けばサイト構造がスカスカになっているケースが多々あります。カテゴリ戦略を見直すだけで、重複問題は劇的に改善されることがあります。
似たテーマのカテゴリが乱立している
カテゴリ名を分けること自体は悪いことではありませんが、「内容が似すぎているカテゴリが複数存在する」という状況は Google にとって非常に判断しにくい構造になります。たとえば「SEO」「SEO対策」「検索エンジン最適化」など、言葉は違えど本質的に同じテーマを扱っているカテゴリが並んでいるようなケースです。
こうした状況では、カテゴリA・カテゴリB・カテゴリC いずれも同じ記事を含んでしまう場合が多く、Google はどのカテゴリーページを“主役”として扱うべきか判別できなくなります。結果的にすべてが重複扱いされ、Google によって正規ページが意図しない URL に書き換えられることも珍しくありません。
カテゴリは「ユーザーが求める情報のまとまり」であるべきであり、同じテーマが乱立している状態はユーザーにとっても Google にとってもわかりにくい構造となります。Google が迷ってしまう構造を作ってしまうと、canonical を設定していてもその意図を汲んでもらえないのは自然な流れです。
カテゴリアーカイブとタグアーカイブの内容がほぼ同じ
WordPress が重複を生みやすい最大の理由のひとつが、この「タグの乱立」です。タグは自由につけられるため、運用が進むにつれて大量のタグが増え、その結果カテゴリページとタグページの内容がほぼ同じになるケースが非常に多く見られます。
たとえばカテゴリ「ダイエット」とタグ「ダイエット方法」がどちらも同じ記事を含んでいるようなケースでは、Google から見れば両方のページがほとんど同一のテーマを持っているため、どちらか片方を正規ページにすれば十分だと判断されます。その時、サイト運営者の意図とは異なりタグページが正規扱いされることもあり、その逆もまた起こり得ます。
こうした重複が起こると、カテゴリーページがインデックスされにくくなるだけでなく、サイト全体のテーマ性の評価が曖昧になり、SEO に悪影響が出る可能性が高まります。タグの扱いは本来非常に慎重にすべきものですが、理解の浅い運用ではカテゴリとタグが同じ役割を担ってしまい、Google の混乱を招いてしまうのです。
ページネーションのcanonical設定が曖昧
カテゴリーページには記事数が増えるほどページネーションが発生し、/page/2/ /page/3/ といったURLが自動生成されていきます。本来であれば、これらの分割ページは canonical を最初のカテゴリページ(例:/category/seo/)に統一する必要がありますが、テーマやSEOプラグインによっては canonical 設定が曖昧になり、ページネーションがそれぞれ独立したページとして評価されてしまうことがあります。
こうなると Google は、カテゴリページ群を「似たページが大量に存在する集合」と認識し、カテゴリトップとの重複を強く感じるようになります。特に、ページネーションごとに異なる canonical が入っていたり、あるいは canonical が入っていなかったりすると、Google の判断はさらに難しくなります。すると Google は「どれか一つを正規にまとめる必要がある」と判断し、サイト運営者の意図とは異なるページを正規化してしまうのです。
ページネーションは WordPress SEO の中でも特に誤解が多い部分で、正しく扱わないとカテゴリーページ全体の評価が崩れることすらあります。
テーマやSEOプラグインによるcanonicalの誤設定
カテゴリーページの canonical は非常に重要なシグナルですが、WordPress のテーマや SEO プラグインによって自動的に設定が行われるため、知らないうちに誤設定されていることもあります。
例として、SEO プラグインがカテゴリーページに canonical を正しく設定していたとしても、テーマ側が追加で別の canonical タグを出力してしまい、結果として canonical が二重になってしまうケースがあります。また、特定の条件下で canonical がトップページに向けられてしまうテーマも存在し、これが起こるとカテゴリーページは Google から「価値のないページ」とみなされてしまい、正規化の対象から外れてしまいます。
こうした canonical の矛盾は Google にとって解釈しづらく、正規ページの選択を Google 主導で行わせてしまう理由になります。意図しない canonical の出力は、SEO で最も厄介なトラブルのひとつです。
AMPやパラメータ付きURLが絡んでさらに複雑化するケース
AMP 対応をしているサイトや、パラメータ付きURLが多く生成されるサイトでは、カテゴリーページの構造がさらに複雑になります。AMP の場合、AMP版カテゴリページが生成され、それが canonical の整合性を崩す原因になることがあります。また、?amp=1 のようなパラメータ付きURLが大量に生成されるテーマやプラグインを利用している場合、カテゴリーページと AMP版カテゴリページのどちらが正規であるべきかを Google が判断できなくなることもあります。
同様に、広告配信や A/B テストを行うプラグインが生成するパラメータ付きURLがカテゴリーページに紛れ込んでいると、それだけで重複度が上がり、Google はさらに正規URLを選びにくくなります。こうした複雑な構造は、多くの場合サイト運営者が意図していないものですが、Google にとっては「整理が必要な重複ページの集合」としか見えません。
まず決めるべきこと:そのカテゴリーページは「インデックスさせたいのか?」
カテゴリーページの重複問題に直面したとき、多くのサイト運営者が「どうすればエラーが消えるのか」という視点だけで対応しようとします。しかし実際のところ、この問題に向き合う際に最初に行うべき判断はもっとシンプルで、しかも根本的なものです。それは、そもそもそのカテゴリーページを「インデックスさせたいのか、させたくないのか」という二択を明確に決めることです。
Google がカテゴリーページをどのように扱うか悩んでいる状態で、canonical をいじったり、プラグイン設定を変えたりしても、方向性が曖昧なままでは本質的な改善にはつながりません。カテゴリーページはサイトの構造において特別な役割を担うページだからこそ、この最初の判断がサイトの SEO 全体に大きな影響を及ぼすことになります。「インデックスさせるべきか」「noindex にするべきか」という問いは、想像以上に戦略的で、Google に正しいメッセージを送るための第一歩でもあります。
カテゴリーページの役割を整理する
カテゴリーページは WordPress サイトの中でも独特の存在であり、その役割は決して「記事を分類して一覧表示するだけ」ではありません。正しく設計すれば、カテゴリーページは一つのテーマを総括する入口となり、ユーザーがそのテーマに関連する記事へ効率よくアクセスできるように導く重要なハブになります。
しかし逆に、深く考えずにカテゴリを量産してしまうと、ユーザーにとっても Google にとっても意味のない“機械的な分類ページ”に成り下がってしまいます。カテゴリーページには、テーマのまとまりを示すという大きな役割があり、そのテーマ性が明確であるほど、Google から「このカテゴリーページはインデックスする価値がある」と判断される可能性が高くなります。
また、カテゴリーページの評価は単独で成立するわけではなく、そこに属する記事群の質や量、内部リンクの流れ、関連するタグや別カテゴリとの関係性など、複数の要素が複雑に絡み合って形成されます。この役割を理解したうえで「インデックスさせる価値があるカテゴリ」かどうかを判断することが不可欠です。
検索流入を狙う“資産カテゴリ”か、管理用の“雑カテゴリ”か
カテゴリーページをどう扱うか判断する際に、まず分類すべきなのは、そのカテゴリが検索流入を狙うための“資産カテゴリ”なのか、それともサイト運営上の便宜にすぎない“雑カテゴリ”なのかという点です。
資産カテゴリとは、そのテーマ自体に検索需要があり、カテゴリーページがそのテーマの総合情報ページとして機能し得るカテゴリのことです。例えば「ゲーミングノートPC」「テレアポスクリプト」「静音掃除機」などのカテゴリであれば、それ自体が検索キーワードとして成立し、ユーザーが知りたい情報がひとまとまりになる可能性があります。こうしたカテゴリは適切に設計し、独自の本文を追加することで SEO 資産として育てることができます。
一方で、明らかに検索を狙っていない“雑カテゴリ”も存在します。たとえば「日記」「未分類」「その他」など、ユーザーにとって分類上の意味が曖昧なカテゴリは、インデックスされていても SEO 上のメリットはほとんどありません。むしろ Google に「薄いページが多い」と評価され、サイト全体のクオリティを下げてしまう恐れがあります。
どちらのカテゴリに分類されるかを見極めるだけで、インデックスするべきか、noindex にするべきかという判断が明確になり、Search Console の重複問題に振り回されることもなくなります。
インデックスすべきカテゴリ/noindexでよいカテゴリの判断基準
カテゴリーページをインデックスさせるかどうかを決める際には、単に「検索流入がありそうかどうか」だけで判断するのではなく、複数の観点からそのカテゴリの価値を評価することが重要です。
インデックスすべきカテゴリとは、そのカテゴリ自体が一つの検索テーマとして成立し、ユーザーが求める情報を包括的に案内できるページになり得るカテゴリです。カテゴリーページに独自のリード文や説明文を追加し、テーマを深く理解できる構造に整えれば、Google にも“価値あるページ”として認識されやすくなります。
逆に、noindex にすべきカテゴリは、記事数が少なかったり、別カテゴリやタグとテーマが重複していたり、テーマが曖昧だったりして、ユーザーにとっての価値が薄いカテゴリです。こうしたカテゴリをインデックスさせると、Google から見れば“内容の薄いページが多いサイト”という評価になりかねません。また、似たページが増えるほど重複の問題が深刻化し、個別記事の評価にも影響が及びます。
カテゴリを noindex にすることは決して悪いことではなく、むしろサイト全体のクオリティを高めるために必要な戦略的判断です。“何でもかんでもインデックスさせればよい”という考えは、現代の SEO では通用しません。
サイト全体のカテゴリ設計を見直すタイミング
カテゴリーページが重複扱いされる問題に直面したときこそ、サイト全体のカテゴリ設計を見直す絶好のタイミングです。カテゴリは一度作ると増え続けていく傾向があり、時間が経つほど整理が難しくなります。記事数が増えるにつれて、最初は意図していなかったカテゴリの“かぶり”やテーマの乱立が自然に発生し、結果としてサイト全体の構造がぼやけてしまうことがよくあります。
カテゴリ設計を見直すべきタイミングは、Search Console に重複警告が増えたときだけではありません。記事数が増えてきてテーマが明確に分かれてきたとき、タグが増えすぎてサイトが混乱してきたとき、あるいはカテゴリの一覧を見たときに「このカテゴリ、本当に必要だろうか?」と感じたときなど、運営の節目ごとにカテゴリを整理する習慣を持つことが大切です。
カテゴリを整理することで Google から見たサイトの構造が明確になり、テーマ性が高まるだけでなく、内部リンクの流れが整い、個別記事の評価にも好影響が生まれます。カテゴリはサイトの骨格であり、その構造が健全であればあるほど、Search Console の重複問題も自然と減っていくのです。
インデックスさせたいカテゴリーページの正しい育て方
カテゴリーページを SEO 資産として機能させたいのであれば、単に記事を分類するだけの存在から脱却し、テーマを深く理解できる“ランディングページ”として成長させる必要があります。WordPress が自動で生成するカテゴリーページは、記事タイトルと抜粋を並べた「一覧」に過ぎず、そのままでは Google に価値を理解してもらうのは難しい構造になっています。しかし、カテゴリーページに適切な情報やストーリーを与えることで、テーマに関する“総合案内所”のような役割を担わせることができ、検索ユーザーにとっても Google にとっても意味のある入口として認識されるようになります。
カテゴリーページは、サイト内部の多くの記事と深く結びついており、そこへ訪れたユーザーを関連性の高い記事群へ導くハブとして機能する可能性を秘めています。単なる一覧ではなく、テーマの深掘りや読者の悩み整理、記事選択のガイドまでを担うことで、個別記事にはできない「テーマ軸での価値提供」を実現できます。これが Google によって“インデックスすべきページ”と判断されるための重要な第一歩です。
カテゴリーページを「ただの一覧」から「テーマ特化のランディングページ」にする
カテゴリーページ最大の弱点は、独自コンテンツがなく、記事の抜粋を並べただけの“機械的な一覧ページ”であることです。Google に評価されるページは、必ず固有の価値を持っており、カテゴリーページも例外ではありません。もしカテゴリページをインデックスさせたいのなら、テーマ全体を俯瞰できるような内容を加え、読者がこのカテゴリに訪れた意味を感じられるような“テーマ特化ページ”として設計し直す必要があります。
テーマの背景を説明したり、読者が抱きがちな悩みを整理したり、記事を読む順番の案内をしたりと、単なるリンク集では提供できない独自情報を置くことにより、カテゴリページは一気に価値を持つようになります。Google はその価値を読み取り、カテゴリページそのものを検索結果に出す意義を見出すようになります。
カテゴリーページに入れるべきコンテンツ要素
インデックスを目指すカテゴリーページは、ただ記事が並ぶだけのものではなく、テーマの入口としてふさわしいコンテンツを備えている必要があります。特に重要なのは、カテゴリの冒頭に配置する文章で、ここが“Google と読者に対してこのページの価値を宣言する場所”になります。
冒頭リード文(300〜800文字)
カテゴリーページの冒頭に配置するリード文は、そのページの価値を明確に伝えるための最も重要なパートです。ここでテーマの全体像やカテゴリが扱う範囲を示すことで、読者が「このカテゴリには自分の求めている情報が揃っていそうだ」と感じられるようになります。Google に対しても、ページの主題が何であるかを強く伝える役割を果たします。
このリード文は単なる説明文ではなく、読者の悩みや疑問に寄り添う導入として書くことが理想です。テーマがなぜ重要なのか、このカテゴリで何が解決できるのか、そしてどんな記事が揃っているのかをしっかりと伝えることで、カテゴリーページ自体に明確な価値が生まれます。
読者の悩みの整理とカテゴリの役割説明
カテゴリーページを価値あるものにするには、そのテーマに関する読者の悩みを整理し、カテゴリがその悩みをどのように解決するのかを説明することが欠かせません。これは単に文章量を増やすためではなく、「このカテゴリが存在する理由」を明確に示すためです。
カテゴリーページは、本来「テーマの道しるべ」として存在するはずです。読者は何を知りたくてここにたどり着いたのか、どのような課題を抱えているのか、その課題に対してこのカテゴリがどう役立つのかを説明することで、Google は“カテゴリの必然性”を理解します。同時に読者にとっても、カテゴリページを読む意味が自然と感じられるようになります。
記事の選び方・読み進め方のガイド
カテゴリーページにおける大きな価値は、記事へ誘導するだけでなく、「どの記事から読むべきか」「どう読み進めれば理解が深まるのか」というガイドを提供できることにあります。テーマによっては、初心者向けの記事、中級者向けの記事、実践向けの記事など、難易度や方向性が異なるものが含まれています。
カテゴリーページ自体に“導線設計”が加えられることで、読者は迷わず記事を読み進められるようになり、Google も「このページはユーザー体験の向上に寄与している」と判断しやすくなります。記事単体では成し得ない体験をカテゴリページが提供することで、独自性と価値が明確に生まれます。
タイトル(titleタグ)と見出し(h1)の最適化
カテゴリーページの title や h1 は、SEO の観点から非常に重要な要素です。WordPress のデフォルト設定ではカテゴリ名がそのままタイトルになってしまい、検索ユーザーが求めるワードと一致しなかったり、キーワードが弱かったりします。インデックスさせたいカテゴリであれば必ず title を最適化し、検索ユーザーがそのテーマを調べる際に使いそうな語句を自然に含めることが不可欠です。
h1 も同様に、カテゴリ名をそのまま表示するだけでなく、テーマをより明確に伝える工夫が必要です。「◯◯に関する記事一覧」という単調な見出しではなく、「◯◯を理解するための総合ガイド」など、カテゴリページが提供する価値を正面から伝える文言に仕上げることで、Google はそのページの“主題”をより強く理解するようになります。
メタディスクリプションの書き方(カテゴリ用)
カテゴリーページのメタディスクリプションは、検索結果で表示される“広告文”のような役割を持ちます。しかしブログ記事とは違い、カテゴリページのディスクリプションはテーマ全体を説明する必要があるため、より高い抽象度でカテゴリの価値を表現することが求められます。
ここでは、カテゴリが扱うテーマ、読者が得られるメリット、このカテゴリの特徴などを簡潔にまとめます。ディスクリプションを丁寧に書き込むだけで、検索結果に出た際のクリック率が大きく変わり、Google にもカテゴリーページが“ユーザーに選ばれるページ”として評価されやすくなります。
内部リンクとパンくずリストでカテゴリを“ハブ”にする考え方
カテゴリーページを SEO 資産に育てる上で最も重要な視点のひとつが、内部リンク構造です。カテゴリーページはサイト全体のテーマ構造の中核に位置付けられ、複数の記事の上位概念として機能します。そのため、記事からカテゴリページへ適切に内部リンクを張ることで、Google に「このカテゴリはサイト内で重要な位置付けにある」と示すことができます。
パンくずリストも同様に、カテゴリページの重要性を Google に強く伝える仕組みです。パンくずが適切に設定されているサイトは、構造化データの観点でも評価されやすく、Google のクローラーがサイト内部の階層を正しく理解できるようになります。
内部リンクの流れが整っているカテゴリは、自然と“ハブ”としての役割を果たし、Google が価値のあるページとして認識する大きな理由になります。カテゴリーページを育てるとは、単に文章を追加することではなく、サイト全体の構造の中で「そのカテゴリがどんな位置にあるべきか」を設計し直すことでもあります。
canonical と noindex:カテゴリーページ周りでの正しい使い分け
カテゴリーページの扱いにおいて、最も混乱を招きやすいのが、canonical と noindex のどちらを適用すべきかという判断です。この二つのタグはどちらも「検索エンジンに何かを伝える手段」ですが、その役割はまったく異なります。canonical は Google に対して「このURLが正規のバージョンです」と伝える“案内”であり、noindex は「このページを検索結果に出さないでください」と伝える“制御”です。
カテゴリーページはその構造上、ページネーション、タグ、アーカイブ、テーマの重複など、複数の関連ページが自然と生成されるため、canonical と noindex の判断が他のページよりも複雑になりがちです。ここで誤った設計をしてしまうと、Search Console の重複エラーが増えるだけでなく、Google のクロール効率が低下し、サイト全体の評価悪化につながることすらあります。正しい使い分けは SEO の基盤を支える極めて重要な判断であり、一つずつ丁寧に整理する必要があります。
self-canonical(自己正規化)をカテゴリーページに設定すべきか
カテゴリーページは、基本的には self-canonical(=そのページ自身を canonical として指定する)を設定するのが推奨されます。これは、カテゴリーページが「一つの正規URLとして存在する」ことを Google に伝えるためであり、特に多くの類似URLが生成されがちな WordPress においては、self-canonical があるだけで URL の混乱が大幅に減少します。
しかし、ここで重要なのは「カテゴリページをインデックスさせたい場合に限って self-canonical を採用するべき」という点です。カテゴリページを noindex にする場合は self-canonical の重要性は下がり、むしろ noindex の方が優先されます。
self-canonical を設定しないと、Google がページネーションやフィードページなどを勝手に正規扱いにするリスクが高くなり、Search Console 上の「Googleにより別ページが正規扱いされました」問題の温床になります。カテゴリページをSEO資産として育てるつもりなら、self-canonical の設定は必須です。
ページネーション付きカテゴリ(/page/2/ など)のcanonical設計
カテゴリーページ周りで最も誤解されやすいのが、ページネーションの canonical の扱いです。/page/2/ /page/3/ といった分割ページは、コンテンツ構造が非常に似ており、そのままでは“ほぼ重複コンテンツ”として扱われてしまいます。
このときもっとも望ましい設計は、各ページネーションからカテゴリの1ページ目(例:/category/seo/)へ canonical を統一することです。これにより Google は「このカテゴリの正規URLは1ページ目である」と判断し、ページネーションをあくまで補助ページとして扱いやすくなります。
ただし、注意すべき点として、ページネーションには noindex を併用しない方が良いケースが多いということです。Google はページネーションを通じて奥のコンテンツへクロールするため、noindex をかけるとクローラーが深部に到達しにくくなることがあります。canonical をカテゴリのトップに集中させ、ページネーションは“クロール用のルート”として確保しておくことが理想的です。
タグページ・著者アーカイブとのcanonical関係
WordPress サイトでは、カテゴリーページだけでなくタグページや著者アーカイブ(author archives)も自動生成され、これらがカテゴリとテーマ重複を起こしやすい構造になっています。この状態を放置すると、Google は複数のURLを比較しながら“どれを正規扱いにすべきか”を判断しなければならず、その過程で意図しない正規化が発生することがあります。
タグページを積極的に使うサイトでは、カテゴリとタグが同じ記事を大量に含むことが多く、canonical の競合が起こりやすいという問題があります。本来、カテゴリはテーマを包括し、タグは記事の性質を補助的に説明するものですが、この使い分けが曖昧だと Google はどちらも同じ役割を果たすページとして認識してしまいます。
著者アーカイブも同様で、コンテンツ量が少ないサイトでは「薄いページ」扱いされやすく、カテゴリとテーマの重複を生むことがあります。これらのページは noindex にし、カテゴリーページに不要な競合を生ませないようにすることで正規化の混乱を防げます。
noindex と canonical を同時に使ってはいけないパターン
SEO 初心者が最もやりがちなミスが、「noindex と canonical を同時に設定する」パターンです。これは Google のガイドラインでも避けるべきとされており、ページの評価が正しく伝わらなくなる最悪の組み合わせです。
理由は単純で、noindex は「インデックスするな」という強い意思表示で、canonical は「このページを正規として扱ってほしい」という提案です。つまり Google に対して真逆の指示を同時に送っている状態になり、Google はどちらを優先すべきか判断できなくなります。
たとえばページネーションに noindex と canonical を組み合わせてしまうと、Google は「クロールしなくていいのか、それとも統合したいのか?」と混乱し、カテゴリトップへの評価が薄まる恐れがあります。基本的には、noindex を使う場合は canonical を設定しない or self-canonical にしないという整理が必要です。
robots.txt でブロックすべきでない理由
カテゴリーページを Search Console に表示させたくない、あるいは重複を避けたいという理由で robots.txt でカテゴリディレクトリをブロックする人がいますが、これは SEO 的にもっとも危険な対応です。
robots.txt によるブロックは、Google に「このURLをクロールするな」と伝えるだけであり、インデックスを阻止する効果はありません。むしろ、クロールできないため canonical の解釈もできず、Google がカテゴリーページの正確な内容を把握できなくなります。その結果、意図しない URL が正規扱いされる、キャッシュがいつまでも残る、検索結果に“情報不足のページ”として表示されるなど、逆効果が頻発します。
カテゴリーページを制御したいのであれば、robots.txt ではなく、noindex, follow を用いることが正しい選択です。Google にページ内容を伝えたうえで「インデックスしないでほしい」と伝えるのが SEO 的にも安全であり、サイト全体の評価を守る最も合理的な方法になります。
インデックスしたくないカテゴリーページへの対応方針
カテゴリーページはすべてインデックスすべきものではなく、むしろ多くの WordPress サイトでは「インデックスさせる必要のないカテゴリ」のほうが多いと言っても過言ではありません。カテゴリーページをインデックスするということは、そのカテゴリが“単独の価値を持つページ”として Google の検索結果で競争することを意味します。しかし、実際にはテーマ性が弱いカテゴリや記事数が少ないカテゴリ、タグと重複したカテゴリなど、検索意図に応えられないカテゴリが多く存在します。
こうしたカテゴリをインデックスさせようとすると、Google はそのページの価値を評価できず、結果的に Search Console に「重複しています」という表示が出続けることになります。重複の原因を追いかけるよりも、そもそも“インデックスする価値がないカテゴリは検索結果に出す必要があるのか?”と考えることのほうが本質的です。インデックスさせるべきカテゴリとそうでないカテゴリを振り分けることで、サイト構造全体がクリアになり、Google の理解もスムーズになります。
noindexを付けるべきカテゴリの条件
noindex にすべきカテゴリには明確な特徴があります。特に、そのカテゴリ自体が検索意図を満たしていない場合、テーマ性が成立していない場合、記事数が少なくカテゴリとしての“厚み”がない場合などは、インデックスに残してもユーザーにも Google にもメリットがありません。
典型的なのは、記事数が1〜3件しかない小規模カテゴリです。テーマを語るだけの分量もなく、独自性も生まれにくいため、カテゴリーページが個別記事より評価されることはほぼありません。また、“未分類”“その他”“スタッフブログ”といった抽象的なカテゴリも検索価値が低く、存在意義が曖昧なため noindex にするのが適切です。
さらに、タグとのテーマ重複が深刻なカテゴリも noindex の候補になります。タグページとカテゴリーページの両方が同じ記事を並べているような状況では、Google は「どちらを正規扱いにすべきか」を判断しにくく、Search Console に重複表示が頻発します。テーマが重複しているカテゴリが多い場合は、統合または noindex の判断が必要です。
結局のところ、「そのカテゴリーページが検索ユーザーに価値を提供できるか」が判断基準の中心になります。
noindex を付けるときの注意点(プラグイン設定・テンプレート変更など)
カテゴリーページに noindex を付ける際には、単にタグを追加するだけでは不十分で、テーマやプラグインの挙動を理解したうえで慎重に設定する必要があります。
多くの SEO プラグイン(Yoast SEO、All in One SEO、RankMath など)はカテゴリページ単位で noindex が設定できるようになっていますが、テーマ側が独自に meta robots タグを出力しているケースもあり、二重出力になると Google がどちらの指示を優先するべきか迷う原因になります。また、テーマによっては「カテゴリーページを noindex にするとパンくず構造化データが壊れる」「canonical の出力先が変わる」などの副作用が起きる場合もあるため、noindex 設定後に構造化データテストを行って確認しておくことが大切です。
また、noindex にするときは “noindex, follow” を使うことが鉄則です。follow を外してしまうと内部リンクの価値が伝わりにくくなり、カテゴリ内の記事への評価も下がることがあります。noindex はあくまで「検索結果に載せない」だけであり、ページの内容を Google に認識してもらう必要があるため、robots.txt でブロックしたり、nofollow を付けたりすることは逆効果になります。
カテゴリーページを noindex にするというのは単なる“非表示処理”ではなく、サイト全体の構造や内部リンクの流れを守るための繊細な調整であることを理解する必要があります。
検索流入を捨ててよいカテゴリをスパッと切るメリット
多くの運営者が「すべてのカテゴリをインデックスしたほうがよい」と誤解していますが、実際にはカテゴリーページのインデックス数を増やすことにはほとんど意味がありません。むしろ質の低いカテゴリが増えれば増えるほど、サイト全体の評価が薄まり、クロールバジェットが無駄に消費され、重要な記事のクロール頻度まで下がってしまうことがあります。
検索流入を狙っていないカテゴリをスパッと noindex にすることで、Google は “価値のあるページにクロール資源を集中させる” ことができ、結果的に個別記事の評価が高まりやすくなります。また、カテゴリーページの重複問題も劇的に減少し、Search Console のエラーに悩む時間が大幅に削減されます。
カテゴリを noindex にするというのは、負けではなく戦略的な選択です。切り捨てることによって、より価値の高いページが引き上げられ、サイト全体のSEO健全性が向上します。これは特に専門特化型サイトや記事数の多いメディアで大きな効果を発揮します。
「重複しています」の表示を気にしなくてよいケース
最後に重要なのは、「重複しています」や「Google により別のページが正規に選択されました」という Search Console の表示が、必ずしも改善すべき問題ではないということです。カテゴリーページを noindex にした場合や、そもそもカテゴリを検索結果に出す意図がない場合、これらの表示は“Google が意図通りに判断しているだけ”であり、放置して問題ありません。
また、カテゴリーページが薄いコンテンツである場合や、テーマ性が弱い場合、Google が個別記事を正規扱いにするのは自然な挙動であり、それを無理に“カテゴリを正規化すべきだ”と考える必要はありません。むしろ Google が最も価値があると判断したページを正規扱いにしているという意味で、警告ではなく“検索エンジン側の最適化”なのです。
「直す必要がある問題」と「無視してよい通知」を区別できるようになると、サイト運営は格段に楽になります。カテゴリーページを noindex にすると決めた場合、Search Console の重複表示は単なる“情報”に過ぎず、SEO上のリスクではありません。
Search Console 上での見え方と“正しい”向き合い方
カテゴリーページに noindex を設定したり、canonical を調整したりすると、Search Console のレポートにも一定の変化が現れます。しかし、Search Console はあくまで「Google がどのようにあなたのサイトを理解しているか」を可視化したツールであり、表示されるメッセージや数値がそのまま“問題”を意味するわけではありません。この誤解が、運営者に余計な不安と対応コストを生みます。
特にカテゴリーページの重複問題は Search Console によって過剰に深刻に見えてしまう領域です。しかし、Google が示す「重複しています」「ユーザーが選択した正規ページとは異なるページが選択されました」といったステータスの多くは“通知”であり、“エラー”ではありません。
Search Console は診断ツールではなく、状態を教えてくれるだけの計測器です。そのため、カテゴリーページを noindex にした時や canonical を調整した時に Search Console がどのように反応するかを理解しておくと、余計な心配や間違った修正を避けることができます。
noindexを入れてから「重複」ステータスが変化するまでの流れ
カテゴリーページに noindex を付けると、多くの人が「Search Console の重複ステータスはすぐに消えるのか?」と疑問に思います。しかし、Google が noindex を認識して Search Console のステータスに反映するまでには、ある程度の時間と段階的なプロセスがあります。
最初に起こるのは、Google が noindex タグをクロールによって確認し、そのURLをインデックス対象外として扱い始める段階です。ただし、この段階では Search Console のレポート上にはすぐ反映されず、一時的には重複ステータスが残ることがあります。それどころか、一時期「重複扱いのURL数」が逆に増えることさえ存在します。これは Google が大量の URL を再評価している途中だからであり、エラーが悪化したわけではありません。
その後、Google が「このカテゴリーページは noindex だから検索結果に出す必要はない」と確定すると、重複のステータスは徐々に処理済み扱いまたは無視扱いになり、レポート上の数字が下がっていきます。
多くの場合、noindex の反映には 1〜4週間程度の時間差があるため、すぐに結果を求めて焦る必要はありません。Search Console の数字よりも、Google が noindex を認識したかどうかが本質であり、表示上の遅延は正常プロセスだと理解することが重要です。
「修正を検証」ボタンは押すべきか/押さないほうがいいケース
Search Console には「修正を検証」ボタンがありますが、この機能を使うべきかどうかは状況によって異なります。カテゴリーページに noindex を入れた直後にこのボタンを押すと、Google が再クロールを急ぎすぎてしまい、まだ構造が落ち着いていない状態で部分的な URL だけを再評価してしまうことがあります。
特に、カテゴリーページ全体の noindex 処理や canonical の調整を行った場合は、自動で反映されるまで待つほうが安全です。サイト全体の構造を変更した直後に検証を押すと、Google が「まだ変化中の状態」を誤って評価し、意図しない正規URL選択が起きることがあります。
逆に、「テーマの構造ミスを修正した」「canonical の誤設定が明確に直った」というように、一部の URL の問題を確実に修正した場合にのみ「修正を検証」は効果を発揮します。
基本的な考え方としては、
・noindex で制御する場合 → 検証ボタンは押さず、自然反映を待つ
・構造ミスを明確に修正した場合 → 検証ボタンを使ってよい
と覚えておくと間違いがありません。
レポート上の数値に振り回されないための考え方
Search Console の「重複しています」「クロール済み、インデックス未登録」などの数値は、あくまで“Google がどれだけページを見つけて、どのように分類したか”を示す統計情報に過ぎません。ここで重要なのは、これらの数字がサイトの評価に直結するわけではないという点です。
WordPress サイトでは記事やカテゴリが増えるたびに新しい URL が生成され、ページネーションやパラメータによる派生 URL も加わって、Search Console 上には膨大な「インデックス対象外 URL」が出現します。しかし、この状態は WordPress サイトにおいてはむしろ“普通”であり、数字が多いこと自体は問題ではありません。
重要なのは、「インデックスしたいページだけがきちんとインデックスされているか」「不要なページに noindex が適切に効いているか」という2点であり、全体のインデックス率や除外数に一喜一憂する必要はありません。Search Console の数字に振り回されると、本質的にやるべき改善ではなく“数字を減らすための無駄な作業”が増え、SEOパフォーマンスがむしろ下がっていきます。
本当にチェックすべき指標(インデックス数・流入・クリック数など)
カテゴリーページに限らず、Search Console を正しく使いこなすためには、見るべき指標を絞る必要があります。SEO の成否は、除外数や“重複”といったメタ情報ではなく、実際の成果として現れる行動データに表れます。
まず最も重要なのは、インデックスされているべきページが正しくインデックスされているかどうかです。カテゴリーページはインデックス対象にするのか、noindex にするのか、方針によってここが最重要判断になります。
次に確認すべきは、**検索パフォーマンス(流入数・クリック数・表示回数)**です。カテゴリーページを SEO 資産として育てたい場合、このページが検索結果からどれだけ流入を獲得しているかが成功指標になります。逆に noindex にしたカテゴリは、この指標を追う必要はありません。
第三に見るべきは、個別記事の評価です。カテゴリーページの扱いが正しくなると、サイト全体の内部リンク構造が整理され、結果的に個別記事への評価が上がることがあります。この変化は Search Console のクエリレポートで確認できます。
つまり本当に見るべきデータは「価値あるページに対する実際の成果」であり、「エラー数・除外数」ではありません。
ケーススタディ:こんなサイト構造だとどう判断する?
カテゴリーページの扱いは、サイトの種類によって大きく変わります。単なる技術論では解決できない理由は、カテゴリが“サイトの戦略そのもの”だからです。同じ WordPress でも、ブログ型なのか特化サイトなのか、雑記なのか専門特化なのかによって、カテゴリの価値は全く異なります。
カテゴリーページにインデックスを付けるべきか、noindex にするべきか、その判断は「どのような情報構造でユーザーを導きたいか」という運営者の意思に直結しています。ここでは、代表的なサイトパターンごとに正しい判断軸を整理していきます。
ブログ型サイト(記事がどんどん増えていく場合)のカテゴリ戦略
一般的なブログ型サイトでは、時間の経過とともに記事が増え、カテゴリの中身は常に流動的です。このようなサイトではカテゴリーページを SEO の主役にすることは難しく、むしろ、カテゴリは“記事を整理するための箱”として扱うのが自然です。
ブログ型は網羅性よりも新鮮さが重視される傾向が強く、カテゴリーページそのものが長期間安定したテーマ性を維持しにくいという弱点があります。そのためカテゴリページを無理にインデックス対象にしても、Google は「テーマが定まらない」「記事群が変動しすぎる」と判断し、結果として重複扱いや“正規ページのすり替え”が起こりやすくなります。
ブログ型での理想的な戦略は、多くのカテゴリを noindex にし、本当に重要なテーマだけを残しておくことです。特に「料理」「旅行」「買い物」のような複数ジャンルの記事を扱う場合、カテゴリは noindex で運用し、記事単体で検索を取りにいく方が合理的です。
特化ブログ・マガジン型でカテゴリを「特集ページ」にしたい場合
特化サイトやマガジン型サイトでは、カテゴリーページは非常に強力な SEO 資産になります。テーマがはっきりしており、カテゴリ内の記事が相互に関連しているため、カテゴリページを“特集ページ”として育てる価値が生まれます。
たとえば「掃除機の選び方」「テレアポのコツ」「WordPress の SEO」など、明確な検索意図を持つテーマでカテゴリを作れば、そのカテゴリページはユーザーにとって“総合ガイド”の役割を果たします。
この場合、カテゴリーページはただの記事一覧ではなく、先に説明したように冒頭での課題整理、テーマ説明、記事の読み順の提示などを加えることで、ランディングページとして機能するレベルまで育てるべきです。
特化サイトはカテゴリ数も制限的でよく、カテゴリごとに数十〜数百の記事が連動して育っていくため、Google から見ても“構造的に価値があるページ”として評価しやすくなります。特化サイトを作る場合、カテゴリーページは記事と並ぶ「主要ページ」のひとつになる可能性すらあるのです。
雑記ブログから特化サイトに寄せていくときのカテゴリ整理
雑記ブログを続けているうちに、特定のジャンルが育ち始めて「特化サイトとして成立しそうだ」と感じる瞬間があります。この段階はカテゴリ整理の絶好のタイミングであり、重複問題を解消しながら SEO を強化する重要なターニングポイントでもあります。
まず必要なのは、過去の記事を整理し、テーマごとに適切にカテゴリを割り振り直すことです。この作業によって、カテゴリ自体がひとつの“情報の集合体”になり、Google がより明確にサイトの構造を理解できるようになります。そのうえで、テーマ性があるカテゴリはインデックスを有効にし、雑多でテーマが浅いカテゴリは noindex にするというメリハリをつけることが大切です。
雑記から特化へ寄せる段階では、カテゴリーページに手を加えるだけで検索流入が劇的に変わることもあります。カテゴリが“特集ページ”へと変貌すると、記事単体では取りにくいキーワードにも対応できるようになります。
既に大量のカテゴリがあってカオスな状態からのリセット手順
長年の運営でカテゴリが増えすぎ、もはや手がつけられない状態になったサイトも少なくありません。カテゴリ数が50を超えているサイトでは、テーマの重複、タグとの競合、薄いカテゴリの大量発生などが慢性化し、Search Console の重複メッセージが止まらなくなる傾向があります。
このようなカオスな状態では、カテゴリを一度“棚卸し”する必要があります。まず現在のカテゴリをすべて書き出し、そのカテゴリに記事が何件入っているのか、テーマが成立しているのか、重複していないかをチェックします。テーマが弱いカテゴリや重複しているカテゴリは統合し、記事数が少ないものは削除または noindex にすることで、サイト全体のテーマ構造が大幅に整理されます。
カテゴリ整理が進むと、内部リンクの流れもシンプルになり、Google の理解が高まり、検索順位の安定性まで向上します。カオスからの脱出は大変ですが、リセット後の SEO の伸びは非常に大きく、カテゴリ整理は“投資”としての価値が高い作業と言えるでしょう。
まとめ:カテゴリーページ重複問題で迷わないための意思決定ルール
カテゴリーページの重複問題は複雑に見えますが、正しく向き合えば非常にシンプルなルールで運用できます。最も重要なのは、技術的な設定の前に“戦略”を決めることです。
まず必要なのは、「このカテゴリーページをインデックスしたいのかどうか」という根本的な意思決定です。インデックスさせたいのであれば、そのカテゴリーページは単なる一覧ではなく、テーマに特化したランディングページとして育てる必要があります。テーマ説明、悩みの整理、記事の案内、title や h1 の最適化などを丁寧に整えれば、カテゴリーページは検索流入の重要な入り口として機能します。
逆に、インデックスさせる価値がないカテゴリは、潔く noindex にすることでサイトの健全性が保たれます。不要なカテゴリに Search Console のエラーを減らすためだけに手を加えるよりも、noindex にして Google の判断をシンプルにしたほうが結果は良くなります。
canonical に頼りすぎず、コンテンツと構造で価値を示すことも重要です。canonical はあくまで“ヒント”であり、最終判断は Google が行います。だからこそカテゴリーページの内容と役割を明確化し、Google が迷わない設計を整える方がはるかに効果的です。
最後に、Search Console のメッセージはエラーではなく“Google の意思表示”として受け取ることです。重複表示や除外表示に振り回される必要はなく、あなたが意図した構造が Google に伝わっているかどうかを確認する指標として活用すれば、SEO運用は格段に楽になります。
カテゴリーページは WordPress サイトの骨格です。正しい意思決定と設計を行うだけで、重複問題は自然と消え、サイト全体が強く健全な SEO 構造へと生まれ変わります。

コメント